ブラッドオレンジとは?愛媛県の栽培農家さんに聞いた!健康面からも注目される希少柑橘
近年、とても珍しい果肉の色などから注目を浴びつつある「ブラッドオレンジ」。
ブラッドオレンジは一口食べると他のオレンジよりも甘みが強く、またその珍しい色から、かんきつ王国愛媛県では今もっとも注目を浴びているかんきつの一つです。
そんな希少価値が高く、まだあまり知られていないブラッドオレンジについて、主な品種や旬の時期、おいしい食べ方から保存方法まで、一気にご紹介します。
ブラッドオレンジとは
ブラッドオレンジは、その見た目の色からブラッド(血)のようだということで、ブラッドオレンジと呼ばれるようになりました。
ブラッドオレンジにはタロッコ種、モロ種、サイグイネッロ種などがありますが、その中でもモロ種とタロッコ種が特に有名です。
タロッコ種
イタリアが原産の「タロッコ(Tarocco)」
ブラッドオレンジの中でもっともポピュラーで、他の品種に比べ糖度も高く、美味しいので生果でも人気があります。
色はブラッドオレンジの中では最も薄く、少し果肉に赤紫がさす程度。
サイズとしては、オレンジの中では果実がとても小さいがモロ種と比べると若干果実が大きく皮が薄く食べやすいです。
【主な産地】イタリア、国内では主に愛媛県。その他では、大分県・和歌山県。
【旬】3月~5月頃
モロ種
イタリア、シチリア島が原産となる「モロ(Moro)」
ブラッドオレンジの中で もっとも赤みが濃くジュースなどにしぼるととても鮮やかな色になり目で楽しむのに最適です。
赤といっても、その色は濃い赤紫といった感じです。
果皮も一部がオレンジ色に染まっているものもあります。
【主な産地】イタリア、シチリア島、国内では主に愛媛県。その他では、大分県・和歌山県。
【旬】4月~5月頃
ブラッドオレンジの果肉が赤い理由と効能
●ブラッドオレンジの外皮と果肉に見られる赤い色は、「アントシアニン」と呼ばれる成分によるものです。
【アントシアニンとは?】
・抗酸化成分ポリフェノールの一種である「アントシアニン」には、「活性酸素」の生成を抑制する働きがあるといわれています。
・数あるポリフェノールの中で、抗酸化力だけでなく、視力回復や眼精疲労の改善に高い効果があるとされています。
・アントシアニンは加熱にも強いので、加工しても美しい色が楽しめます。
●柑橘の品種でアントシアニンが含まれるのは珍しく、ビタミンCとアントシアニン、両方が摂取できるのが、ブラッドオレンジの大きな特徴です。
イタリア原産で寒さに弱く日本では栽培がほとんどされていませんでしたが、愛媛県では主に(タロッコ種、モロ種)が栽培されるようになりました。
なぜ、ブラッドオレンジを栽培するようになったのか。実際に8年栽培をされている農家さんにお話しを聞いてみましょう。
愛媛県のブラッドオレンジ(タロッコ)農家の声!
(今年で、ブラッドオレンジ(タロッコ)栽培8年目:愛媛県八幡浜市 岡本氏)
Q:赤い果肉の柑橘。販売当初の反応はいかがでしたか?
A:初めて食べられるお客さんから、腐っているのでは?と言われることも多々ありました(笑)初めて果肉の色を見てびっくりする方も多いようですね。
Q:果肉の赤みかかった色。ものによって色むらや違いがあるのはどうして?
A:僕たちもわかりませんが、日照量や気候面に要因があるのかな。
Q:ブラッドオレンジ タロッコ種の甘さはどのぐらいあるのでしょうか?
A:うちのタロッコは糖度13~14度くらいです。
かんきつの中ではかなり高い糖度ですが糖度以上に、ポリフェノールや酸味の加減で甘く、濃く感じられると思います。
Q:ブラッドオレンジ タロッコ種の良さを生かした食べ方は?
A:皮が硬くて厚いので、カットしても崩れにくいということから、カットフルーツとして食べるのがおすすめです。
Q:生産農家ならではの食べ方があれば教えて下さい!
A:やはり、そのままを食べるのが一番ですが、ジュースにするのはもちろん、シロップにしてかき氷につかったり炭酸水と割ったりしても美味しいし、色鮮やかでとてもいいですよ。
Q:日持ちはしますか?
A:他のかんきつと比べて比較的日持ちはするほうです。
日陰で風通しのいい場所で保管していただくと、果実の状態にもよりますが2週間くらいはもつと思いますよ。また、食べきれないものは、冷凍して夏に食べても美味しいですね。
Q:どうしてブラッドオレンジ タロッコ種を作ってみようと思ったのですか?
A:イタリアでもっともポピュラーなオレンジが愛媛でも温暖化により製造可能となったので!珍しいものを全国に届けれたらいいなとおもい生産に踏み切りました。
Q:ブラッドオレンジ タロッコ種の栽培で大変なことは?
A:タロッコの木の枝からは爪楊枝の様なトゲが出ているので、収穫や作業中まれに刺さるときがあります。
Q:ブラッドオレンジをまだ食べたことない方へ一言!
A:甘さはもちろん、ジューシーでとても美味しいです。
3月後半から4月と春に楽しめるのも魅力です。
食味だけでなく、色味や風味といった他のかんきつには無い楽しみができるのも魅力です。
また、かんきつジュースの中では、価格が高めの部類に入るブラッドオレンジジュースですが、飲んで頂ければ、その価格にもご納得いただけると思います。
まとめ
ブラッドオレンジの国産は希少柑橘で、その生産はほとんどが愛媛県です。
ブラッドオレンジの中でも糖度が高めで生果で人気の「タロッコ種」。
甘味が強くジューシーで、その赤い果肉に含まれるポリフェノールの「アントシアニン」。
食味・色味・風味で楽しめ、ビタミンCとアントシアニンの両方が摂取できるブラッドオレンジはとても魅力的ですね!
これからも注目され、人気が高まっていく柑橘のひとつだと思います。
ぜひ皆さんも一度、召し上がってみてくださいね!
(余談・・・)
オレンジって、つい「みかん」の英語っていうイメージがありますが、
実はみかんを英語でいうと、中国が原産のみかんは mandarin(マンダリン)
また、北米・南アフリカ原産はtangerine(タンジェリン)
そして日本の温州みかんはSatuma(サツマ)っていうんですね。
でも最近は海外にも浸透してきた温州みかん
欧米などでは、mikanとそのまま呼ばれる地域も最近では多いようです。